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症例報告中の病理所見および病理写真提供:山極病理研究所/株式会社ランス/IDEXX Lab.
⑤斜頚
前庭の機能不全によりうさぎの頭部が左右どちらかに傾いてしまう疾病である。原因として中枢性と末梢性がある。
●中枢性:髄質や小脳の問題であり、微胞虫症が代表的である。
●末梢性:内耳炎の原因菌としてPasteurella multocidaが分離されることが多い。
●微胞虫症(E.cuniculiの感染):若齢のうさぎに多く見ることができる。
感染後1ヶ月は発症しない。また治療は困難であり、予後不良である。中耳炎は抗生剤による治療により改善を見ることがあるので、斜頸を呈しているうさぎには治療を施すことは有用である。
●臨床症状
主な原因は次の物が考えられる。
1. 斜頚
頭部を右か左に傾けたままになる.
2. 眼振
眼振は本症の初期に見られることが多い。治療に反応すると消失することも多い。
3. ローリング
頭部の傾いている方向へ回転してしまうことがある。こうなると移動や採食も困難となる。またローリングにより脊椎の損傷や外傷を招くことがあるので、タオルなどでローリングしない様に保定しておくと良い。
4. 食欲不振/腸炎
斜頚の初期には食欲不振が見られる.そのため腸炎も併発することがある。症状が安定してくれば、斜頸のまま採食は可能。
治療
先ず、抗生剤の投与から始める。この際、ステロイドは使わないこと。むやみにステロイドを用いると症状の悪化が見られることがある。また抗生剤も安全性の高いものから慎重に選択し使用する。(オルビフロキサシン 2〜4mg/kg, bid 3weeks)また、下方に向いた眼球は床材と接触しやすいため,結膜炎を起こしやすい。必要に応じて点眼薬などによる処置も併行して行う。
排泄物などで肛門周囲が汚れることも多いが、これは定期的に清掃し清浄な状態を保つようにする。微細なストレスでも治療の妨げとなることがあるので、できるだけこれらのストレスも排除しておく。